県立大学の研究施設で高校生が”遺伝子”を学ぶ

ある植物の遺伝子情報を世界で初めて解読した福井県立大学の研究施設を、高校生が見学し、生きものの性別を決める進化の過程などを学びました。

見学会には、福井市の県立羽水高校3年生の生徒6人が参加し、生物資源学部の風間裕介教授の研究施設を訪れました。
風間教授らの研究グループは、ヨーロッパなどで自生しているナデシコの仲間、「ヒロハノマンテマ」という植物のメスの株について、すべての遺伝子情報の解読に、ことし世界で初めて成功し、注目を集めています。
この植物は、オスとメスが別の株で育つ珍しい種類で、生徒たちは実際につぼみを切り開いて、雄しべや雌しべが、それぞれの株に1つしかないことを確かめていました。
研究グループによりますと、この植物は、もともとオスとメスをあわせ持つ同じ株だったと見られますが、オスの性別を決定付ける「Y染色体」が、約1100万年前から消滅し始めたと考えられるということです。
風間教授は、「Y染色体」の減少は、ヒトでも同様の傾向が見られるとして、生徒たちに進化の多様性を知って欲しいと伝えていました。
参加した女子生徒は「身近で、世界的な研究が行われていることに驚きました。自分も人助けにつながるような研究をしたいです」と話していました。
風間教授は「性染色体がどう誕生し無くなっていくか、植物で分かった知見がヒトにも応用できます。最先端の研究をしていますので、生徒には、やる気を持ってチャレンジしてほしい」と話していました。