拉致問題の解決訴え 小浜市で講演会

拉致問題の解決に向けた機運を高めようと、小浜市で21日夜、講演会が開かれ、拉致被害者の支援団体の森本信二会長が「残された拉致被害者の帰国には一刻の猶予もない」と訴えました。

この講演会は小浜商工会議所青年部が会員を対象に開いたもので「北朝鮮に拉致された日本人を救う福井の会」の森本信二会長が講演しました。
この中で、森本会長は拉致被害者の地村保志さんと富貴恵さんが拉致された直後の捜索活動を振り返り、「当時は拉致という言葉は身近ではなく、北朝鮮に連れ去られたなんて思いもよらなかった」と語りました。
また、地村さん夫妻が帰国した当時のことについては「抱き合って喜び合いましたが、そのときに地村さんが痩せていることに気づき、北朝鮮での24年間に及ぶ生活の厳しさを思い知りました」と振り返りました。
そのうえで、まだ帰国を果たしていない拉致被害者については「高齢化が進んでいて、一刻の猶予もない。日本政府に早く動いて欲しい」と訴えました。
講演会を開いた小浜商工会議所青年部では、今後、若い世代の拉致問題への関心を高めるため、街頭での署名活動や啓発活動に取り組むことにしています。
小浜商工会議所青年部の大城戸将司会長は「解決のためには、地道な取り組みが必要だと感じました。支援の輪が広がるような活動を展開していきたいです」と話していました。