高速増殖炉「もんじゅ」廃炉作業の第2段階が本格化へ 敦賀市

敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」では、廃炉に伴って冷却材のナトリウムを抜き出すため、2日から核燃料を覆っていた「しゃへい体」を移送するなど廃炉作業の第2段階が本格的に始まります。

日本原子力研究開発機構のもんじゅでは、廃炉作業の第1段階として去年10月に核燃料の取り出しが終わり、今年度からは冷却材として使われたナトリウムの抜き出しなどを含む第2段階に移っています。
6月1日は原子力機構の小口正範理事長が職員などに訓示し、「初心に立ち返り、防災や身の安全を守る行動に務めてほしい」と呼びかけました。
原子力機構によりますと、2日からは中性子が漏れないように核燃料を覆っていた「しゃへい体」を燃料プールへ移送するなど第2段階の作業が本格的に始まるということで、ナトリウムの抜き出しは2028年度から始める計画だということです。
原子力機構の小口理事長は「これまでとは違った安全管理体制が必要になる。今までは想定していなかったところにも気を配って安全確保に努めたい」と話していました。

《県庁で面会》
これに合わせて文部科学省と日本原子力研究開発機構の担当者が県庁を訪れ、第2段階の作業に入ることを報告しました。
この中で日本原子力研究開発機構の渡辺沖理事は「これまでの経験を生かしながら地域の理解を得つつ安全を最優先に着実に進めていきたい」と述べました。
また文部科学省の二村英介もんじゅ・ふげん廃止措置対策監は、「しゃへい体の取り出し作業は第2段階への移行後初めての本格的な作業となる。地元への説明や情報発信を丁寧に行いたい」と述べました。
県防災安全部の坂本裕一郎部長は安全最優先で作業に取り組むことに加え、関係機関への連絡態勢の確認や、今後の解体作業では地元企業が参入できるように配慮することなどを求めました。