ホワイトデー前に古墳時代の銅鏡かたどったチョコレート作り
14日のホワイトデーを前に、1700年ほど前の古墳時代の銅鏡をかたどったチョコレートを作る人気のイベントが福井市で開かれました。
このイベントは、古代の鋳造技術に関心を持ってもらおうと福井市の郷土歴史博物館が毎年開いていて、ことしは午前と午後の講座に最大で定員の5倍の応募がありました。
抽選をくぐり抜けた参加者は、「三角縁神獣鏡」と呼ばれる古墳時代に作られた円形の青銅製の鏡の再現に挑みました。
はじめに、鏡をもとに作ったシリコン製の型に溶かしたチョコレートを流し込み、冷蔵庫で冷やしました。
30分ほど待って取り出すと、鏡のように固まっていて、仕上げにお菓子作りに使われる金属の粉をまぶすと、光沢が生まれて鏡のようになります。
「三角縁神獣鏡」は、福井市では3世紀末から4世紀初めごろの古墳から出土していて、参加した人たちは、特徴的な文様が精巧に再現されたことに驚いた様子で写真に収めていました。
10年ほど前にこの企画を立ち上げた学芸員の藤川明宏さんは「古墳からは意図的に割った鏡が出土することがあり、おそらく鏡を割る儀式があったのではないか。チョコも“鏡割り”をして、多くの人と分け合って古代のロマンに思いをはせてもらえれば」と話していました。