アレルギーが出にくい小麦でパン作り 学生が試食会

小麦アレルギーのある人でも食べられる小麦の開発を目指している福井県立大学の学生たちが、アレルギーが出にくい品種でパンを作り、9日試食会を開きました。

試食会は坂井市のカフェで開かれ、このカフェの常連客や近くに住む人など、計20人あまりが集まりました。
提供されたのはスペインやドイツの一部で古くから栽培されている「スペルト小麦」を使用して作られたパンです。
小麦アレルギーの原因は、小麦に含まれる「グルテン」の一種とされていますが、スペルト小麦にはグルテンが少なく、症状が出づらいという特徴があります。
パンにすると一般的な小麦を使ったパンより歯ごたえのある食感になるということで、参加者は別の小麦を使ったパンと食べ比べながら、味の違いを楽しんでいました。
あわら市から来た60代の女性は「普通のパンより中身が詰まっている感じで、かむと甘い香りが増しておいしいです。アレルギーで困る人も増えていると聞くので、ぜひ広まってほしいです」と話していました。
スペルト小麦は病気に弱く栽培が難しいなどの性質があるため、県立大学では今後、品種改良を行い福井産のスペルト小麦を開発したいとしています。
福井県立大学創造農学科の村井耕二教授は「低アレルギー性の小麦粉ということになれば全国的に需要があり、大きな可能性を秘めているので、福井でも作れるよう改良していきたい」と話していました。