論文査読で不適切な行為 福井大学が教授を減給処分

福井大学の教授が中心となった論文をめぐり、大学の調査で、別の研究者からチェックを受ける査読と呼ばれる手順に不適切な行為が認められた問題で、大学は17日、この教授を減給処分にしました。

この問題は、福井大学の60代の教授が中心となって学術雑誌に掲載された論文のうち、6つの論文について、大学の調査によって不適切な行為が認められたものです。
大学によりますと、この教授は、査読を担当する3人の教授から依頼を受け、チェックポイントなどをまとめたコメント案を提供していたということです。
福井大学は、チェックを受ける立場の論文の著者が査読に関わるのは不適切だとして処分を検討していましたが、17日、減給処分にしたことを明らかにしました。
処分の理由について、福井大学は「科学者としての行動規範や研究者倫理から逸脱したものであり、不適切な査読操作だと判断した。社会的な反響も考慮した」と説明しています。
福井大学の上田孝典学長は「研究に対する信頼を失墜させ、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。今回の事態を厳粛に受け止め、研究倫理を徹底し、再発防止に努めます」というコメントを出しました。