介護施設の虐待 県内でも複数確認

介護施設の職員による虐待が全国的に問題となる中、県内でも、昨年度、高齢者の体を強く引っ張ったり暴言を吐いたりするなど、複数の虐待行為が確認されたことが、厚生労働省のまとめでわかりました。

厚生労働省は、介護施設での虐待の実態を把握するため、平成18年度から全国の自治体を通じて調査を行っています。
それによりますと、昨年度は県内の介護施設で職員による虐待が、少なくとも2件認められたということです。
いずれも施設の職員が、高齢者に対して複数の虐待行為を行っていたということで、トイレに誘導する際に強く引っ張ったり、食事の際にイスに体を固定したりする「身体的虐待」が確認されたということです。
このほか、日常的に暴言を吐く「心理的虐待」や、高齢者の体にできていたあざの原因を確認しないまま放置していた「介護等放棄」も確認されたということです。
県内の介護施設で、複数の虐待行為が確認されたのは、平成24年度以降、10年連続となりました。
今回のケースでは、通報を受けた自治体の職員が事実関係を確認し、再発防止に向けた改善計画を、文書で提出させる行政指導を行ったということです。
県長寿福祉課は「介護施設は安心して暮らせる場所で、虐待があってはならない。今後も施設や市と町を対象に、虐待の防止や早期発見に向けた研修を行いたい」と話しています。