福井県の最低賃金 30円引き上げ888円とする答申

福井県の最低賃金について、労使の代表などでつくる労働局の審議会は時給を30円引き上げ、888円とする答申を行いました。

最低賃金について、厚生労働省の審議会は、今年度、福井県などの地域では時給を30円引き上げるとする目安を示し、これをもとに福井県の最低賃金について労使の代表などが協議する福井労働局の審議会が8日、開かれました。
この中では国の目安どおりの時給引き上げを求める労働者側と慎重な姿勢を示す経営者側の主張が最後まで折り合いませんでしたが、採決の結果、目安どおりの引き上げが決まり、福井労働局の田原孝明局長に答申されました。
この結果、福井県の最低賃金は現在の時給858円から30円引き上げた888円になる見通しで、引き上げ額と上昇率は過去最大になります。
連合福井の玉川忠春副事務局長は、審議会の決定を評価したうえで「福井県の活性化や発展を考えたとき、賃金の上昇は大事なことだ」と話しました。
一方で、県経営者協会の山埜浩嗣専務理事は、厳しい決定だとしたうえで「賃金を上げやすい環境、生産性が向上する政策を政府に進めてもらいたい」と話しました。
福井県の新しい最低賃金は異議の申し立てや周知の期間を経てことし10月2日から適用される見通しです。
県内の最低賃金を30円引き上げることが決まったことについて、県立大学・地域経済研究所の南保勝特任教授は「福井県の賃金は全国平均と比べても数パーセント低く、労働力不足が深刻化する中で、地域に労働力を維持するために賃上げは有効な手段の一つだ」と述べました。
一方、企業側の影響については「原材料費の高騰が経営を圧迫する中、福井県の企業はコストの上昇を価格に転嫁しきれていないという調査もある。今回の上昇率を喜んで受け入れる企業は限られている」と指摘しました。
その上で、南保特任教授は「建設業と製造業が福井の基盤を支えているが、少しずつ新しい産業にシフトしていくことが必要だ。今回の賃上げを契機に、2年後の北陸新幹線の延伸を強みにしてどこまで産業の付加価値をつけられるかが重要になる」と述べました。