もみ殻など取り除く伝統農具「み」の作り方学ぶ 千葉 匝瑳

穀物のもみ殻などを取り除く伝統の農具「み」の作り方を学ぶ教室が、
生産が盛んだった千葉県匝瑳市で開かれました。

「み」は穀物の実を入れて上下に揺らすことでもみ殻やゴミを取り除く農具で、藤のつると竹を編み上げて作ります。
匝瑳市の木積地区には江戸時代からみ作りの技術が伝承され、2009年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
20日の教室には昔の道具に関心のある人など20人が参加し、土に埋めて保管していた藤のつるを掘り出し、刃物を使って皮を剥ぎながら芯と分ける最初の作業に取り組みました。
また、保存会のメンバーが材料の藤のつると篠竹を交互に重ねて編み上げる作業を披露しました。
匝瑳市では最盛期の大正時代には、130世帯で年間10万を超える「み」を生産していましたが、今では需要が減って後継者不足が懸念されています。
保存会のメンバーで92歳の金杉ミツエさんは、「みづくりは小学校の頃から始めて80年以上になります。材料を平らにそろえることが上手に作るコツです」と話していました。
3年前、東京から匝瑳市に移住したという40代の女性は、「東京にいるときから伝統文化に興味がありました。参加して1年がたってそれぞれの作業の内容がやっとわかってきました。高齢化が進む中でやれる人が受け継いでいきたいという思いです」と話していました。