千葉県 道路工事めぐる贈収賄事件 ほかの3件入札も経緯捜査

千葉県の道路事務所が発注した公共工事の入札をめぐる贈収賄事件で、逮捕された事務所の所長が着任した去年4月以降にあった5件の入札のうち4件で贈賄側の会社が応札していたことがわかりました。
このうち1件で便宜を図った疑いが持たれていて警察はほかの3件についても経緯を詳しく調べています。

千葉県の北千葉道路建設事務所の所長の白藤徹容疑者(54)は、去年7月に行われた事務所が発注した道路工事の入札で、印西市の建設会社に便宜を図った見返りにこの会社の社長の竹内一雅容疑者(51)から現金20万円を受け取ったなどしたとして収賄の疑いで逮捕され、11日検察庁に送られました。
白藤所長が事務所に着任した去年4月以降、この事務所が所管する5件の公共工事で入札が行われ、このうち4件で贈賄側の会社が応札していました。
入札はいずれも技術力なども加味される総合評価方式で、この会社が落札したのは所長が最低額の目安となる基準価格を漏らした疑いがある1件だけですが、他にも基準価格と同額か極めて近い金額で入札していたケースが複数あったということです。
警察はほかの3件の入札についても経緯を詳しく調べることにしています。
警察は2人の認否を明らかにしていません。

千葉県によりますと、白藤徹容疑者(54)は、1992年4月に県の土木職の技術職員として採用され、その後、県内の複数の土木事務所で課長や次長として道路整備や河川改修などの公共工事の入札に関わってきたということです。
去年4月、成田市にある北千葉道路建設事務所の所長に着任し、設計書の決裁など公共工事の契約事務を統括していて入札関係の価格を事前に確認できる立場だったということです。
本人については「派手な生活をしていたという情報は特になかった」としています。
去年10月末、本人から県土整備部に警察の聴取を受けていると報告があり、休暇を取ったり在宅で勤務をしたりしていて「迷惑をかけて申し訳ない」と話していたということです。

贈賄側の建設会社は千葉県印西市に本店があります。
建築工事や土木工事などを行っていて2019年4月から今月までに道路や施設の改修工事といった千葉県の公共工事をあわせて37件受注し総額は67億円に上っています。
県は年度ごとに工事の受注額の上位20社を公表していて、この会社は、2021年度は11位、昨年度は18位となっています。
県によりますと、総合評価方式による入札は、入札額だけでなく技術力なども加味して決めますがこの建設会社は県が工事の実績や技術力に応じて定める4段階の評価で最も高いAランクだということです。