記録的大雨から3か月 千葉県 応急修理完了の住宅は半数程度

千葉県や茨城県を中心に浸水被害が出た記録的な大雨から8日で3か月です。
2000棟以上の住宅に被害が出た千葉県では応急修理が完了した住宅が申し込みの半数程度にとどまっています。

千葉県や茨城県の太平洋側を中心に大きな被害が出た9月8日の記録的な大雨で、千葉県では茂原市などで川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、浸水などによる住宅への被害は2300棟以上にのぼっています。
住宅に一定以上の被害が出た場合、災害救助法に基づいて費用の一部を国や県が負担する「応急修理制度」がありますが、千葉県によりますと、今月5日の時点で申請は260件、修理が終わったのは136件と半数程度にとどまっているということです。
住宅の修理が道半ばで3か月がたった今も不自由な暮らしを余儀なくされている人もいます。
茂原市下永吉に住む青柳昌行さんは(56歳)自宅が床上80センチまで浸水しました。
1階にはキッチンがあり、冷蔵庫や電子レンジなどが壊れたほか、床下や壁、それに壁の中ある断熱材が水を吸い、張り替えざるをえなくなりました。
乾燥させるために床板などをはがしましたが、その後業者に修理工事の見積もりを依頼したものの、まだ見積もりが出来ず工事も行われていないということです。
このため、2階の1室に電子調理器を置いて調理したり、洗面台で洗い物をしたりして生活しているということです。
青柳さんは「浸水後も掃除をすれば住めるとイメージしていましたが、現実はまったく違い、心の負担も大きいです。外から見れば復旧したように見えても不便な生活をしている人は自分以外にもいると思います。水害から立ち直るのには非常に時間がかかることを知って欲しい」と話していました。
なぜ工事が進まないのか、茂原市内の工務店を取材すると、人手不足だったり、工事費が通常のリフォームよりも低かったりして、積極的には受けづらいという声が聞かれました。
専門家は災害時の補修工事は地元だけでは対応が難しいとして、地元以外の業者が支援する仕組みを活用することが必要だと指摘しています。
年末年始を控える中、応急修理をいかにスムーズに進めていくかが課題となっています。