千葉 茂原市 大雨“土のう設置せず浸水深60センチ以上増”

ことし9月の記録的な大雨で氾濫した千葉県茂原市を流れる「一宮川」で、工事中の堤防の代わりに設置されることになっていた大型の土のうの一部が十分に設置されていなかった問題で、市は独自に検証を行い、市内の八千代地区では土のうが設置されていなかったことにより、浸水の深さが60センチ以上増したとする結果をまとめました。

茂原市を流れる一宮川では、9月の大雨の前から県が堤防や護岸の改修工事を進めていて、工事が終わるまで、堤防が低い部分などに大型の土のうを設置することになっていましたが、浸水被害を受けて県が調査した結果、5か所で不備が見つかりました。
このうち、土のうが設置されていなかった八千代地区の1か所について、市は、大雨の日に付近で計測された一宮川の水位などをもとに、流れ込んだ水の量などを推計しました。
それによりますと、午前10時から午後8時までの間に、土のうが設置されていなかった部分から流れ込んだ水の量は16万7400立方メートルあまりで、これにより八千代地区では平均でおよそ64センチ、浸水の深さが増したとしています。
この地区では282世帯からり災証明が提出されていて、27日記者会見した茂原市の田中豊彦市長は、「土のうが十分に設置されていれば床上浸水は防げたのではないか」としたうえで、「あまりにもずさんすぎる工事だ。県は繰り返し浸水被害を受けてきた現場の状況が分かっていない。きちんと検証し管理してほしい」と話しています。
この問題については県も第三者委員会を設置し、川の氾濫への影響などについて検証を進めています。