関東大震災教訓に建設 昭和初期の貴重な校舎公開 千葉 館山

千葉県館山市で昭和初期に建設され、今は使われていない高校の校舎が一般に公開され、卒業生などが訪れ昔を懐かしんでいました。

千葉県立安房南高等学校旧第一校舎は昭和5年に建てられ、関東大震災の教訓をもとに古くからの日本の木造建築と、当時の新しい西洋建築の要素を組み合わせた建物です。
外観は左右対称に大きく羽を広げたようなデザインで、階段の手すりや柱にも装飾が施されるなど、昭和初期の学校建築を伝える貴重な建物として、平成7年に千葉県の有形文化財に指定されています。
校舎はふだんは非公開となっていますが、千葉県と地元のNPOが郷土の文化財を広く知ってもらおうと、一般に公開しました。
19日は地元の人や県内外から卒業生などが訪れて校舎の中を自由に見学し、このうち明治時代からの歴代の制服が展示されているコーナーでは、卒業生たちが懐かしそうに見入っていました。
50代の女性は「30年ぶりにきましたが、当時の思い出が蘇ってきて、胸がいっぱいです。きれいな校舎ですので、後世に残してほしいです」と話していました。
NPO法人安房文化遺産フォーラムの池田恵美子共同代表は「県内外から多くの方に訪れてもらい、とても嬉しいです。文化遺産を保存活用する世論が高まって、末長くいい形で残されて活用してほしいです」と話していました。