衣服大量廃棄の課題 学べる施設がオープン 木更津

大量の衣服が生産され、廃棄されてしまうことが課題になっているファッション業界。
こうした課題についてショッピングをしながら学ぶことができる新たな商業施設が千葉県木更津市にオープンしました。

この商業施設は「KISARAZU CONCEPT STORE」です。
大手の不動産会社が衣服の新たなサイクルと生み出そうと8日、木更津市に開設しました。
この施設で取り扱う衣服や雑貨は、長期間売れ残った商品や小さな傷や形の違いで流通されにくい規格外品などです。
不動産会社などが廃棄される前に買い取り、定価よりも安く販売します。
商品はブランド別ではなくテーマや色などで分けて陳列し、訪れた人がさまざまなブランドにふれられるように工夫されています。
こうした施設がつくられた背景には、大量の衣服が生産され、廃棄されてしまうという世界的な課題があります。
環境省によりますと、国内では年間およそ50万トンの衣服がごみとして廃棄されているということです。
このため新たな施設では、衣服のリサイクルの取り組みを紹介する「FACTORY LAB」というスペースも設けています。
ここでは、衣服をつくるときに出る生地のくずなどを紙に再生させる企業の取り組みや、服飾を学ぶ学生が使ったあとの布などから燃料をつくる大学の研究が紹介されています。
また、衣服を回収して細かい繊維状にし、もみ殻などを混ぜて発酵させて肥料をつくっている企業の取り組みも紹介され、訪れた人はその作業を体験することができます。
この会社の担当者の池上梨乃さんは「ファッション業界の大量廃棄などの課題を身近に感じてもらい、解決につなげたい」と話していました。
この商業施設は、入場料が大人は1人300円、中学生以下は無料になっていて、入場料のすべてと収益の一部が施設内で紹介している企業や大学に寄付されるということです。
商業施設の企画を担当した三井不動産の伊藤榮輝さんは「ショッピングを楽しみながら余剰在庫の問題なども考えてもらい、ファッション業界の新しいサイクルを体験できる場所になればと思います」と話していました。