千葉県内の路線バス 利用者減や燃料高騰で値上げ申請相次ぐ

千葉県内で路線バスを運行している事業者が、利用者の減少や燃料価格の高騰などを理由に今月、相次いで運賃の値上げを国に申請しました。

千葉県内で路線バスを運行している事業者は、県が把握しているだけで31社ありますが、このうち半数近い14社が今月、運賃の値上げを国土交通省関東運輸局に申請しました。
年間600万人以上が利用する「千葉中央バス」はことし7月から現金での初乗り運賃を現在の170円から200円にするなどの値上げを申請しました。
26年前から消費税率の引き上げ分を除いて運賃の値上げをしていませんでしたが、近年の利用者の減少や燃料価格の高騰、運転手の不足などから赤字が続き、このままでは赤字幅が拡大するおそれがあり、値上げの申請を決めたということです。
「千葉中央バス」の担当者は「大変心苦しいが、厳しい経営状況のなかで公共交通の使命を果たすためやむなく値上げの申請を行いました。今後も経営改善やサービスの向上に努めていきます」と話しています。
最寄り駅から遠く、バスが不可欠な交通手段となっている千葉市美浜区の幸町団地でもこの地域などで路線バスを運行する「ちばシティバス」が7月をめどに初乗りを170円から190円にするなど1割程度の値上げを申請しました。
ふだんからバスを利用しているという80代の男性は「駅までは遠いし、自転車も使えないからバスは絶対に必要です。ただでさえ物価高で厳しいのに値上げされると困ります」と話していました。
近くに住む40代の女性は「軒並み物価高でどこも大変なので仕方ないと思います。バスは必要ですが、値上げ額によっては自転車に切り替えないといけないですね」と話していました。