市原市教委 中学校での男子生徒へのいじめ12件を認定
市原市の中学校で男子生徒1人がいじめを受けたとして不登校となっている問題で、市の教育委員会は3日、あわせて12件のいじめが確認されたなどとする調査結果を公表しました。
市原市の中学校に在籍する2年生の男子生徒は、去年9月から11月にかけて複数の同級生からいじめを受けたと訴え、12月から不登校となっています。
市教育委員会では今回の事案をいじめの重大事態と認定し、調査委員会を設置して詳しく調べ、3日、調査結果を公表しました。
それによりますと、男子生徒側は同級生による25件の行為をいじめとして訴えていましたが、調査委員会では教室で文房具をとったり、廊下などで繰り返し蹴ったりするなどの同級生6人による12件の行為をいじめと認定したということです。
残る13件の行為は、同級生側が認めていないなどとして認定しませんでした。
6人が示し合わせたり、集団でいじめた事例はなく、それぞれ個々の生徒によって行われたとしています。
また、背景について、去年の夏休み中に、男子生徒が6人とは別の生徒にSNSのメッセージを繰り返し送ってトラブルになったことがきっかけと考えられるとしています。
学校の対応については、同級生への指導や謝罪をさせることにとどまっていじめと認識せず、保護者への連絡もしなかったことが対応の遅れにつながったと指摘しました。
教育委員会では今後、男子生徒のケアに取り組むとしているほか、この中学校は2年生のクラスが1つしかないことから、3年生に進級する新学期からは2クラスに分割できるよう検討しているということです。
市原市教育委員会の林充教育長は「関係する双方の生徒と保護者に、大変つらい思いをさせていることを心からおわびします」としています。
一方、いじめを受けた男性生徒の保護者は、「加害者に寄り添った内容だ。教員および学校がいじめを認知していたのは明らかで、いじめを隠蔽していたことを認めない限り納得できない。調査結果には不信感があり、第三者委員会の設置を求めたい」などとコメントしています。