千葉県が感染妊婦の受け入れで新システム 第7波で危機感も

千葉県では、去年、柏市で新型コロナに感染した妊婦の受け入れ先が見つからず、早産で生まれた赤ちゃんが亡くなったことをうけて、新たに設けられた妊婦の搬送を調整するシステムの活用が進み、専用病床も増やされましたが、感染の第7波で妊婦の病床がひっ迫していて、医師は危機感を示しています。

1年前の去年8月17日、千葉県柏市で感染して自宅療養中だった妊娠8か月の30代の女性の受け入れ先が見つからず、自宅で早産となり、赤ちゃんが亡くりました。
その後、県は、近隣に受け入れ先がない場合、受け入れが可能か県内のほかの病院に一斉に照会して調整するシステムを導入し、今月15日までに感染した妊婦17人がこのシステムを使って搬送されたということです。
また、それまではなかった妊婦専用の病床の確保を進め、県内の主要な病院で最大41床まで対応できるようになりました。
しかし、多くの感染者が確認されている今回の第7波では用意した妊婦専用の病床が満床になる病院も複数出ているということです。
また、出産後に赤ちゃんを隔離するための病床も数が限られ、ひっ迫した状態となっています。
千葉大学病院周産期母性科の尾本暁子医師は「このまま感染者が増えていくと専用病床を持たない病院にも受け入れてもらわなければならなくなるかもしれない」と危機感を示しています。

感染した妊婦の搬送調整システムが活用されるなか、今月も妊娠9か月の37歳の女性が船橋市から千葉市の病院に搬送され、無事に出産しています。
この女性は保育園に通う長男が新型コロナに感染し、濃厚接触者となっていた今月3日に破水し、船橋市の船橋中央病院に入院しました。
2日後、女性本人も感染していることが確認されたうえ、赤ちゃんを包む膜に炎症がある疑いもあり、緊急的に出産する対応が必要になりました。
しかし早産の赤ちゃんに対応できる近隣の病院に余裕がなく、救急搬送システムを使って調整を行ったところ、およそ10分で千葉大学病院で受け入れることが決まったということです。
女性は午後1時ごろに救急車で搬送されて千葉大学病院の感染した妊婦専用の病床に入り、およそ4時間後に無事に次男を出産しました。
出産した女性は「余裕はなく、子どもが大丈夫なのかが、いちばん心配でしたが、意外とすぐに搬送先が決まって安心しました。無事に生まれてよかったです」と話していました。

搬送調整システムの活用が進む一方、新型コロナの第7波で妊婦の感染者も急増して専用の病床がひっ迫し、病院側は臨時の病床を設けたり出産後の退院を早めたりするぎりぎりの対応を迫られています。
千葉大学病院では妊婦と赤ちゃん用の専用病床を2床ずつ確保していますが、今月上旬には母親4人、赤ちゃん3人を同時に受け入れざるをえない状況になり、臨時の専用病床を設けたということです。
また、船橋市の船橋中央病院も専用病床を2床確保していますが苦しい状況が続いています。
病院では通常、出産後の妊婦は5日程度入院するところを1日から2日で自宅療養とし、限られた病床の回転を速くしてより多くの妊婦を受け入れられるようにし、第7波では1週間に3人から4人を受け入れているということです。
第7波の前までは出産後の妊婦を通常のコロナ病棟に移す対応もしていましたが、感染の拡大によってコロナ病棟も満床となり、自宅療養にせざるをえない状況だということです。
船橋中央病院の産科の河野智考医師は「次から次へと患者が来る中で緊急性がある患者に対応するためにも事情を話して自宅療養をしてもらっている。現場に携わる医療従事者の数や病床は大きく増えた訳ではないので、感染の拡大を受けて厳しい状況が続いている」と話していました。