陸奥湾の養殖ホタテ 令和5年産は過去5年間平均の50%近く

県などがこの春、実施した陸奥湾で養殖されているホタテの成育状況を調べた結果がまとまり、去年の夏の高水温の影響で、令和5年産のホタテは来年春に出荷などを行う成貝用では、過去5年間の平均との比較で50%近くにとどまることが分かりました。

ホタテの養殖が盛んな陸奥湾では、去年記録的な高水温が続いたことなどから、ホタテが稚貝を中心に大量に死んでいるのが見つかり、水揚げの減少など影響の長期化が懸念されています。

県などがこの春に実施した調査では、令和5年産のホタテのうち、▽ことしの春に出荷する半成貝用のホタテはおよそ4億466万枚、▽一方、来年の春の出荷や産卵のために確保する成貝用のホタテはおよそ7459万枚と、いずれも過去5年間の平均との比較で50%近くにどまっています。

このうち、成貝用のホタテは平成21年以降、最も少ない水準のため、生産量の維持のためには、今年後半にかけて出荷する予定のホタテを来年の春の産卵まで保有する必要があると指摘しています。

また、ことしも今後、高水温が見込まれることから、夏場は水温が低くなるより深い場所で、養殖するよう呼びかけています。

むつ湾漁業振興会の立石政男会長は「自然環境に勝つことは難しいが、これまでの経験からやるべきことは分かっているので、安定して生産できるよう対処していきたい」と話していました。