弘南鉄道 昨年度決算 2億3000万円余の赤字 過去最大

厳しい経営状況が続いている弘南鉄道の昨年度の決算は、経常損益が2億3000万円余りの過去最大の赤字となったほか、大鰐線の営業損益も弘前市などの沿線自治体が支援を継続する条件としている目標の基準となる値を下回りました。

弘南鉄道が今月21日の株主総会で公表した昨年度の決算によりますと、経常損益は2億3310万円余りの赤字と前の年度より27%ほど悪化し、過去最大の赤字となりました。

また、運行にかかった費用から運賃収入などを引いた路線別の営業損益は、弘南線が9662万円余りの赤字大鰐線も1億3068万円余りの赤字だったということです。

これは物価高騰や円安のほか、脱線事故などに伴う長期運休により利用者が減少したことが影響したということです。

弘前市など沿線自治体は4年前、昨年度末時点で中長期計画に基づいた収支改善ができない場合、支援を継続しない方針を決めていますが、大鰐線の営業損益は目標の基準となる値をおよそ3000万円下回っています。

弘南鉄道の成田敏社長は「今までにないような赤字幅となりましたので、重く受け止めています。補助金がないと維持していくのは難しいので、自治体の意見を尊重しながら存続するのか、廃止するのか検討していきたい」と話していました。