ゾウの化石 実は大型水生哺乳類「カイギュウ」の化石 県内初

戦後まもなく青森県深浦町で発見され、ゾウの牙として保管されてきた化石が300万年ほど前の大型の水生哺乳類、「カイギュウ」の化石とみられることが分かりました。
青森県で「カイギュウ」の化石が見つかるのは初めてで、専門家は県内の地質の歴史を知る上で貴重だとしています。

これは青森県立郷土館が9日、記者会見で発表しました。

それによりますと、化石は昭和22年、青森県深浦町のおよそ300万年前の地層で発見されたとされ、県立郷土館の倉庫でゾウの牙の化石として保管されていました。

ことし1月から学芸員が改めて詳しく調べた結果、化石の構造や密度などの特徴からジュゴンやマナティーの仲間の大型の水生哺乳類、「カイギュウ」のろっ骨の化石であることが分かったということです。

「カイギュウ」の化石は北海道や山形県などで見つかっていましたが、青森県で見つかるのは初めてで、県内の地質の歴史を知る上で貴重だということです。

県立郷土館の島口天学芸員は「新たな動物化石が県内の地史に加わるということで非常にうれしい」と話していました。

この化石は、今月25日に青森市で開かれるセミナーで初めて一般に公開され、県立郷土館でも改修工事の終了後に展示する予定だということです。