マタギ本人から話を聞く座談会 文化や伝統を聞く むつ市
クマの狩猟を行う下北半島のマタギの文化や伝統についてマタギ本人から話を聞く座談会がむつ市で開かれました。
この座談会は16日、むつ市のNPO法人が開き、「畑マタギ」と呼ばれるむつ市川内町の畑集落のマタギなど3人が参加しました。
「最後の畑マタギ」とも言われる大澤専悦さん(77歳)は、県内外から詰めかけたおよそ150人を前に、下北の山々を歩きクマがいそうな穴や山の特徴を5年かけて覚えたことや、クマをしとめたあとには敬意を込めて「シオクリ」と呼ばれる儀式を行うことなどを紹介しました。
また、いま山の中ではかつて見られた一部の動物の姿がほとんど見られなくなるなど、生態系が大きく変わりつつあると危機感を示していました。
このほか、「畑マタギ」に関する著作がある弘前市出身の紀行作家、根深誠さん(77歳)は、昔は男性だけがクマを料理し、水や包丁を使ってはいけなかったことなど独特のしきたりを紹介しました。
参加者からはマタギとハンターの違いやクマとの共生についての質問が相次ぎ、大澤さんたちが丁寧に答えていました。
千葉から参加した男性は「本やインターネットでもなかなか知ることができないので勉強になった」と話していました。
大澤さんは「後継者がいないのは時代の流れでしかたない。クマを撃つために自分で歩いて山を覚えたことが財産だ」と話していました。