弘前大 複合災害に対応する看護人材育成 教育プログラム新設

弘前大学は地震や津波の自然災害と原子力施設の事故が同時に起きるなど、複数の事態が発生した際の看護の対応を専門的に学ぶ「複合災害看護教育プログラム」をこの春から新設すると発表しました。

これは、弘前大学医学部保健学科看護学専攻の中にことしの春から開設されるプログラムで、地震や津波などの自然災害のほか、原子力施設の事故や新型コロナのような感染症の拡大など、複数の事態が同時に起きた際に対応できる看護人材の育成を図ります。

プログラムは1学年に30人が受講でき、防災士の資格の取得が必須となるほか、合わせて150時間以上の演習や講義があり、この中には大学にある被ばく医療の研究所を活用した、放射線災害に関する医療の演習も盛り込まれています。

弘前大学によりますと、複数の事態が同時に起きた際に対応できる看護人材の教育プログラムの開設は全国でも珍しいということです。

弘前大学大学院保健学研究科の冨澤登志子教授は「これまで研究してきた被ばく医療のノウハウを学生に伝えるために、このプログラムを開設した。災害医療に興味のある学生も1割から2割ほどいるので、いざというときに動ける人材を育て上げていきたい」と話していました。