厳しい経営の弘南鉄道 1年分の定期券など今月末で廃止を発表

弘南鉄道はエネルギー価格の高騰などの影響で割引率の高い定期券の販売を続けることが難しいとして、1年分の定期券などを今月末で廃止すると発表しました。

弘南鉄道は利用客の減少などで厳しい経営が続いていて「自助努力だけで安全な運行を維持するのは困難だ」などとして県に財政支援を求め、県は6日、弘南鉄道への補助金、2840万円を盛り込んだ補正予算案を県議会に提出しました。

これに加えて、7日、弘南鉄道は「原料とエネルギー価格の高騰などの影響で割引率の高い定期券の販売継続が困難となっている」として、1年分の通勤・通学定期券と、学期ごとの通学定期券を今月末で廃止すると発表しました。

弘南鉄道によりますと、1年分の定期券は正規の料金の7割引で、これより割引率の低い1か月、3か月、6か月の定期券については来月以降も販売を続けるということです。

今年度、1年分の定期を購入した人の数は通学でおよそ340人、通勤でおよそ20人だということです。

1年分の定期券を利用している女子高校生は「安くて助かっていたのでなくなると聞いて驚きました。定期券の購入のために少しずつお金を貯めていたので今後については親と相談して決めたい」と話していました。

弘南鉄道の中田正志業務部長は「4月から購入を予定されていた方には申し訳なく思っています。乗客の9割は通学での利用で負担をかけますが、ご理解いただきたい」と話していました。