宮下知事「弘南鉄道の財政支援は前提」「脱線事故は論外」

去年、列車の脱線事故があった津軽地方を走る「弘南鉄道」をめぐり、会社側から財政的な支援を求められた青森県の宮下知事は29日の記者会見で「市町村をまたぐ広域の鉄道なので応援することが前提だ」と述べる一方で、「脱線事故や安全管理の不行き届きというのは論外だ」と厳しく指摘しました。

津軽地方を走る弘南鉄道では去年、大鰐線で脱線事故が起きたほか、弘南線と大鰐線のレールの異常であわせて3か月にわたって運転見合わせが続きました。

こうした影響や利用客の減少などにより、27日には、弘南鉄道の幹部らが「自助努力だけで安全・安定運行を維持していくことは困難な状況だ」などとして、宮下知事に財政的な支援を求めました。

29日の記者会見で弘南鉄道への対応について問われた宮下知事は「そもそも脱線事故や安全管理の不行き届きは論外で、鉄道事業者たる資格を疑う」と厳しく指摘しました。

一方で、「通勤や通学を含めて地域の暮らしを支えているし、県としても市町村をまたぐ広域の鉄道なので、応援するのが前提だ。ただ、安全確保や、安全対策、連携をどうしていくのかは会社自身としてまず考えてほしい」と述べました。

県では今後、弘南鉄道からの要望をどう取り扱っていくか検討を進めることにしています。