弘南鉄道 長期の運転見合わせなどで経営難 県に財政支援要望

「弘南鉄道」は去年の長期にわたる運転見合わせや電力経費の増加などにより経営難に陥っているとして財政支援を求める要望書を県に提出しました。

弘南鉄道では去年、大鰐線で脱線事故が起きたほか、弘南線と大鰐線のレールの異常であわせて3か月にわたって運転見合わせが続いたことに加えて、慢性的な利用客の減少で運賃収入が落ち込み、昨年度、およそ3億円だった収入は今年度、1割ほど減る見込みだということです。

経営難への支援を求めようと弘南鉄道の成田敏社長が27日、県庁を訪れ、宮下知事に要望書を手渡しました。

要望書では物価高騰に伴って増加する運行経費への財政支援やレールの補修費用を肩代わりしている沿線自治体への支援などを求めています。

要望書を受け取った宮下知事は「去年の事故などは多くの人に不便や不安を与えることになったので信頼回復に努めてほしい。安全な輸送を確保するために必要な対策を実施できるよう取り組みを進めていきたい」と述べました。

要望のあと、弘南鉄道の成田社長は「今までも沿線自治体から支援を受けてきたが、今回の事故や運休で経費が今まで以上にかかっている。今後は安全対策や社員教育を徹底するのでさまざまな形で支援してほしい」と話していました。