日本音楽コンクール優勝バイオリニスト水野琴音さん 凱旋公演

去年、若手音楽家の登竜門として知られる「日本音楽コンクール」のバイオリン部門で優勝した青森市出身のバイオリニスト、水野琴音さんが、優勝後初めて、青森で演奏を披露しました。

水野琴音さんは、青森市出身の20歳で、現在は東京藝術大学音楽学部の2年生です。

去年10月、国内最高峰の若手音楽家の登竜門として知られる「日本音楽コンクール」のバイオリン部門で1位に選ばれ、優勝しました。

水野さんは今月24日夜、青森県立美術館の四方の壁に20世紀を代表する画家・シャガールの絵が展示されている「アレコホール」で、優勝後、初めて青森で演奏を披露しました。

水野さんは、ピアニストの高実希子さんとともにチャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出」やプロコフィエフの「バイオリンソナタ第2番」などを演奏し、140人あまりの観客が聴き入るなか叙情的な旋律からドラマチックな旋律まで、閉館後の静寂に包まれた「アレコホール」の巨大な空間に響き渡らせました。

水野さんは「『アレコ』の絵からインスピレーションを得ながらの演奏を地元の皆さんに聴いていただけてとてもうれしい。成長した音楽を届けて、クラシック音楽に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話していました。

今回の演奏会は、20世紀を代表する画家、シャガールの作品が展示されている「アレコホール」を舞台芸術の拠点として活用しようと取り組んでいる青森県立美術館の企画の一環で行われました。

杉本康雄館長は「若い世代にこのホールで演奏を経験してもらうことは、次のステップアップに向けたよいきっかけになるし、一流の演奏を聴く機会を多くの人に提供することはこのホールの存在意義につながる。水野さんにとって今回の演奏会は、日本音楽コンクールでの優勝を経て世界へ羽ばたく次へのスタートになったと感じる」と話していました。