弘南鉄道 国土交通省に改善案を報告 去年 大鰐線で脱線事故

去年、弘南鉄道大鰐線で列車が脱線した事故をめぐり、国土交通省から改善措置を取るよう指示されたことを受けて、弘南鉄道は、測定器を適切に使ってレールの摩耗状態を数値で判断することなどを盛り込んだ改善策の案を国土交通省に報告しました。

弘南鉄道では去年8月、大鰐線で列車の脱線事故が起きたほか、去年9月から12月にかけては弘南線と大鰐線でレールの一部に摩耗などの異常が見つかったとして運転の見合わせが続きました。

国土交通省東北運輸局が保安監査を行った結果、測定器を使って毎年行うレールの摩耗検査を、ほとんどの区間で目視で済ませていたことなどが分かり、弘南鉄道に対し具体的な改善策を報告するよう求めていましたが、弘南鉄道は22日、会見を開き、改善策の案を報告したことを明らかにしました。

それによりますと改善策の案には測定器を適切に使ってレールの摩耗状態を数値で明確に判断できるようにすることや、線路などの検査について知見を向上させる教育や訓練を行うことなどが盛り込まれています。

このほか、安全意識の向上のためにJR東日本の研修や講習会に参加するほか、線路設備などの保守管理の体制についてJRと情報交換を行うとしています。

弘南鉄道の船越信哉常務は「昨年の事故による運転見合わせについて利用者にはご迷惑をおかけした。地域の公共交通としての役割を担うために、教育や訓練を徹底して安全輸送に努めていきたい」と話していました。