春節で中国や台湾などから観光客 コロナ禍前のにぎわい戻る

旧正月の「春節」に合わせ、県内にも中国や台湾などから多くの観光客が訪れていて、コロナ禍以前のにぎわいを取り戻しているという声が聞かれます。

新年を旧暦で祝う中国や台湾では、今月10日から旧正月の「春節」の大型連休に入っています。

これに合わせて、中国や台湾などから多くの観光客が日本を訪れていて、県内の観光地でもにぎわいが見られます。

このうち、三沢市の宿泊施設では、今月17日までの「春節」の期間中の宿泊客数が、新型コロナの感染が拡大する前の年にあたる2019年に比べて、香港からはおよそ2倍、台湾からもおよそ1.2倍に増え、中国本土からの宿泊客も8割ほどに回復しているということで、宿泊客全体で見るとコロナ禍以前の水準にまで戻っているということです。

特に香港や台湾からの宿泊客が増えていることについて、宿泊施設では、りんごを通じた青森県そのものの認知度の向上に加え、団体ツアーから個人客への客層の変化が背景にあるとみています。

中国・上海から友人ら9人と家族ぐるみで訪れている女性は「上海の雑誌やSNSで青森は頻繁に紹介されている。海産物がおいしいし、ねぶたの山車は『元宵節』の灯籠と雰囲気が似ているので、春節の雰囲気も感じながら過ごせるのが魅力だ」と話していました。

星野リゾート 青森屋の須道玲奈総支配人は「春節で『殺到』とまではいかないが、コロナ禍以前のにぎわいを久しぶりに感じている。台湾や香港からの観光客は、りんごやSNSを活用した県のアプローチもあって順調に伸びているので、青森の食や祭りの文化を伝えてリピートにつなげたい」と話していました。


15日は、あいにくの雨となりましたが、八甲田国際スキー場周辺は、「春節」の大型連休にあわせて訪れた台湾や中国、さらにはシンガポールからの観光客でにぎわっていて、スキーやスノーボード、さらにはスノーシューでトレッキングなどを楽しむ姿がみられました。

一方で、山頂付近での強風の影響で「八甲田ロープウェー」が運休となったことから、個人で訪れた観光客のなかには、ロープウエーに乗れずに、空いた時間にスキーをしようにも外国語の案内が少ないために用具を借りる場所などがわからず、スキー場のふもとで立ち尽くす姿もみられました。

北京から夫と息子とともに訪れた女性は「東京や大阪、札幌など日本各地を訪れてきたが、今回は異なる体験がしたくて青森を選んだ。市内には雪が無くて子どもも残念がっていたが、スキー場に来て喜んでいる。ただ、英語や中国語の案内が少なく、アクティビティーに参加する方法がわからないのでふもとを歩き回るしかない」と話していました。

また、台湾から家族5人で訪れた男性は「台湾ではりんごの輸入がかなりあるので青森イコールりんごというイメージが根づいている。温泉や海鮮料理、それにきれいな景色がよい。次は桜や紅葉の季節にまた来たいと感じている」と話していました。