JR津軽線めぐりトップ級初会合 意見の相違改めて浮き彫りに

一部区間が不通のままとなっているJR津軽線をめぐり、JRと沿線自治体、それに県などによるトップ級の初会合が開かれ、自動車交通への転換を推進する側と鉄道の維持を強く求める側の意見の相違が改めて浮き彫りになりました。

おととし8月の記録的な大雨以降、一部区間が不通となっているJR津軽線をめぐっては、JRと不通区間の沿線自治体などがおよそ1年間にわたって存廃などを議論した結果、自動車交通への転換や鉄道の復旧など4つの案をまとめていて、JRとすべての区間の沿線自治体、それに青森県によるトップ級の会議に移行することが決まっていました。

1日はその初めての会合が外ヶ浜町役場で開かれ、出席者がそれぞれの意見を改めて表明しました。

外ヶ浜町の山崎町長は、自動車交通に転換する案について町民の理解が得られているとしたうえで「運賃が上がらず不便にもならなければ鉄道にはこだわらない」などと述べました。

一方、今別町の阿部町長は地域活性化に向け「第2青函トンネル」を建設する構想を進めていることなどを説明したうえで、鉄道は災害時の輸送手段の1つになりうるなどとして維持するよう求めました。

これに対し自動車交通への転換を提案しているJR東日本盛岡支社の久保支社長は「第2青函トンネルはいつ具体的に動き出すのか、見通しが立たない段階だ。人口や利用者の減少が確実に進んでいる状況を見れば、利便性に着目し少しでも早く手を施すべきではないか」と述べました。

会議はおよそ1時間行われましたが、自動車交通への転換を推進するJR、それに外ヶ浜町と鉄道の維持を強く求める今別町などとの意見の相違が改めて浮き彫りになりました。

会議のあと外ヶ浜町の山崎町長は「津軽線を廃線するかどうか決まっていないので、バスに転換するならバスの利便性を高めるなどより具体的な話がしたいが進められていない。希望としては一日も早く結論を出していきたい」と述べました。

そして議論から1年以上となり住民からも早く結論を出すよう求める声が上がっているとして、早急に議論を進め、より具体的な検討を進めたいとの考えを示しました。

会議のあと、今別町の阿部町長は「きょうの会議は参加者が意見交換をする場でなかったのが残念だ。津軽線がなくなるのはさみしさもあり、住民には悲壮感も出ているので、JR東日本の力でなんとか残してほしい」と述べました。

今別町は津軽線の不通区間の交通を今後どうすべきかについて町内の全世帯を対象にアンケートを行い、その結果、回答があった世帯のおよそ6割が「バスや乗り合いタクシーへの転換」と回答しています。

これについて、記者団から鉄道の存続にこだわるのは民意を反映していないのではないかと問われると阿部町長は「アンケート結果については捉え方の問題でそもそも半分くらいしか回答しておらず、データが少ない。私は住民がどう思っているかデータがほしくてアンケートをしただけで、結果に左右されることはない。結果は結果として受け止めて鉄道の必要性とバス路線もみんなで議論していきたい」と述べました。