「八甲田山雪中行軍遭難事件」陸自部隊が墓地で慰霊の祈り

青森県の八甲田山系で、旧日本陸軍の部隊が訓練中に遭難し、199人が死亡した「雪中行軍遭難事件」の教訓を受け継ごうと陸上自衛隊の部隊が青森市にある犠牲者の墓地で慰霊の祈りをささげました。

「八甲田山雪中行軍遭難事件」は日露戦争を目前に控えた明治35年1月に寒冷地での進軍を想定して行われた訓練のさなか、青森市に駐屯していた旧日本陸軍の歩兵連隊が山中で遭難して199人が死亡したもので、映画や小説でも知られています。

青森市に駐屯している陸上自衛隊第5普通科連隊では、この教訓を受け継ごうと毎年この時期に八甲田山系で演習を行っていて、31日は、隊員およそ170人が犠牲者の遺骨などが納められた青森市の「幸畑陸軍墓地」を訪れました。

寒冷地用の白い制服に身を包んだ隊員たちは、墓碑を前に整列して連隊旗や銃剣を掲げて敬礼し犠牲者の霊を慰めるとともに、山中での演習の安全を祈りました。

第5普通科連隊の伊藤裕一連隊長は「当時と同様、厳しい環境の中で厳しい訓練に臨んでいるので教訓を生かして安全管理を徹底し、全員で無事に演習を終えたい」と話していました。

連隊は1日スキーでの行進を行うことにしています。