弘前市中心部「ジュンク堂書店」4月閉店へ 惜しむ声

弘前市中心部にある大型書店「ジュンク堂書店」が業績悪化からことし4月に閉店することになり、訪れる客からは閉店を惜しむ声が出ています。

平成24年に弘前市土手町の百貨店「中三」にオープンした「ジュンク堂書店」は一般書から漫画までおよそ18万冊を取り扱う県内有数の大型書店として市民に親しまれてきました。

しかし、この店を運営する「中三」によりますといわゆる「活字離れ」やインターネットの普及による店頭での販売の不振などから業績が開店時の7割ほどに落ち込み、ことし4月末に閉店することが決まったということです。

大学入試の問題集を購入しに来た弘前市の男子高校生は「いつもここで参考書などを購入していた。他の書店よりも本が多くて、いい場所だったので寂しい」と話していました。

弘前市の70代の女性は「この本屋にはずっと続いてほしいと思って、本を注文したり、近く寄ったりしたときは買っていたので残念だ」と話していました。

専門学校に通う19歳の男子学生は「この書店でいろんな本に触れて本を好きになったので寂しい。見て回るだけでも『この本は面白そう』と発見があり、本が細かく分類されるなどの大型書店のよさがあるのでこういった書店は必要だ」と話していました。

全国の書店の情報をまとめている「日本出版インフラセンター」によりますと、先月の時点で店舗のある書店として全国で登録されている数は1万1092店で、この10年で4600店余り、率にしておよそ3割減少しています。

このうち青森県内の書店の数は156店で10年前の4分の3ほどに減っています。

中でも、弘前市では地元に根づいた大型書店「今泉本店」が2000年に、また、全国展開する「紀伊國屋書店」が2019年に閉店し、これに続いて今回、ジュンク堂書店が閉店することで市内中心部の土手町から大型書店が姿を消すことになります。