クマ被害防止へ 自治体の担当者などが対策学ぶ研修会 青森市

県内でクマによる人や農作物への被害がことし相次いだことを受け、21日、自治体の担当者などを対象にした被害防ぐ対策を学ぶ研修会が開かれました。

青森市で開かれた研修会には、県内の自治体や農協などの団体からオンラインも含めておよそ70人が参加しました。

会議ではまず、県からことし県内では20日までにクマの出没が961件、クマによる人への被害が10件、10月末の時点での農作物への被害額はおよそ1700万円と、いずれも例年と比べて大幅に増えていることが報告されました。

その後、野生動物に詳しい岩手大学の青井俊樹名誉教授が講演し、青森県ではこれまで生息していなかった地域でも近年クマの出没が確認されている点や、出没が多いとされる夜明けや夕暮れ以外の時間帯にも注意が必要といった点を説明していました。

また、被害を減らすために、余った果物を畑などに捨てないことや、森や林の下草を刈り見通しをよくすることなど、住民や自治体が一体となって取り組むことが重要だと強調していました。

青森県食の安全・安心推進課の中村義人課長は「クマの出没が多かった年の次の春も注意が必要なので、しっかりと対策するよう自治体などに呼びかけていきたい」と話していました。