弘南鉄道大鰐線 約2か月半ぶりに全線で運転再開

レールに異常が見つかり、一部の区間で運転を見合わせていた青森県の弘南鉄道大鰐線が、8日、およそ2か月半ぶりに全線で運転を再開しました。

青森県弘前市と大鰐町を結ぶ弘南鉄道の大鰐線は、ことし9月、レールに摩耗などの異常が見つかったため全線で運転を見合わせ、先月、一部区間で運転を再開しましたが、津軽大沢駅と大鰐駅の間ではレールの補修作業が続いていました。

弘南鉄道はこの区間の作業が完了したとして、8日朝、およそ2か月半ぶりに全線での運転を再開しました。

大鰐駅では、午前6時半ごろから、通勤や通学で利用する客が次々と電車に乗り込んでいました。

弘前市の高校に通う男子生徒は「代行バスは便が少なく不便でした。やっと再開したので注意して運転してほしい」と話していました。

通勤で利用する30代の男性は「代行バスはダイヤが乱れるなどするので戸惑っていました。今後こういうことがないよう安全第一にやってほしい」と話していました。

弘南鉄道では、弘前市と黒石市を結ぶ弘南線も大鰐線と同時に9月から運転を見合わせましたが、先月再開していて、8日ですべての路線の運転見合わせが解消されました。

【補修などの費用 9割以上を沿線自治体が負担】
弘南鉄道はおよそ2か月半にわたる2つの路線のレールの補修とこの間の代行バスの運行などの費用が総額7000万円に上ったとして、このうち9割以上の6600万円を負担するよう5つの沿線自治体に要請しています。

これを受けて各自治体は、所在する駅の利用者数などに応じて負担することにしています。

各自治体によりますと、それぞれの負担額は、弘前市がおよそ3700万円、平川市が1000万円あまり、黒石市がおよそ900万円、大鰐町が700万円あまり、田舎館村がおよそ300万円となる見通しです。

負担額が最も多い弘前市の地域交通課は「弘南鉄道は弘前圏域の市町村をまたぐ重要な社会インフラで、今後の地域活性化にも必要だ。万全な修繕を行い、安全運行に努めてほしい」としています。