青森 八戸 弁当食中毒問題 食品の保存適切に行わず

ことし9月、八戸市の駅弁メーカーの「吉田屋」の弁当を食べた人が全国各地で食中毒と確認された問題で、「吉田屋」が厚生労働省のマニュアルで求められている食品の保存を適切に行っていなかったことが、保健所への取材でわかりました。

ことし9月、八戸市の駅弁メーカー、「吉田屋」が製造した弁当を食べた人が体調不良を訴えた問題ではあわせて550人余りが食中毒と確認されました。

八戸市保健所は弁当が原因の食中毒と断定した上で、「吉田屋」を営業禁止の処分としましたが、今月4日に衛生管理体制の改善が確認できたとして処分を解除しました。

八戸市保健所は、問題の発覚以降、原因を特定するため、「吉田屋」への立ち入り調査を行っていましたが、「吉田屋」が厚生労働省の大量に調理を行う施設を対象にした衛生管理マニュアルで求めている食品の保存を一部行っていなかったほか、また、どの駅弁に使った食品か、記録が不明確だったことが、保健所への取材で、新たに分かりました。

このマニュアルに罰則規定などはないものの、保存された食品や記録は、食中毒が発生した際の原因の特定のため、必要とされていて、八戸市保健所は、「食品が適切に保存されていれば、調査がよりスムーズに進んだ可能性がある。たくさんの食事を調理して提供する施設では食品の保存を行うよう改めて意識してほしい」と話しています。

八戸市保健所によりますと今回の問題を受けて、「吉田屋」は、厚生労働省のマニュアルに沿って、食品の保存を行うなどを含めた衛生管理体制の改善を行ったということです。