八戸市の障害者医療療育施設で児童に心理的虐待 県が運営委託

八戸市にあり、県が運営を委託する障害者医療療育施設で、施設の看護師が入所児童に対して「友達がいないのではないか」などと友人の有無を問う発言などをして心理的虐待を行っていたことが分かりました。

虐待行為があったのは、青森県が日本赤十字社に運営を委託している八戸市の障害者医療療育施設、「県立はまなす医療療育センター」です。

施設によりますと、ことし2月、50代の女性看護師が施設に入所する10代の男子児童に対し「友達がいないのではないか」といった友人の有無を問う発言や、過去の交友関係に関する発言を他の児童が居合わせる部屋の中で行ったということです。

その後、被害児童から相談を受けた施設側が、看護師などに聞き取り調査を行い、その内容をことし5月、県に報告しました。

そして、報告を受けて県が関係者に聞き取り調査を行った結果、被害児童の自尊心を傷つけ、著しい心理的外傷を与える「心理的虐待」にあたると認定したということです。

「県立はまなす医療療育センター」の盛島利文園長は「被害にあわれた入所児童や保護者に心よりおわび申し上げる。施設として重く受け止め、信頼回復に努めていく」と謝罪しました。

施設は今後、職員に対して虐待防止に関するセルフチェックシートを配布するほか、人権意識を高めるための研修などを実施していくということです。

県が日本赤十字社に運営を委託している八戸市の障害者医療療育施設、「県立はまなす医療療育センター」で、施設の看護師が入所する児童に心理的虐待をしていたことについて県は15日午後、記者会見を開きました。

会見で県健康福祉部の工藤康成次長は「被害を受けた方、ならびにその家族に対し、深くおわび申し上げる。また、県行政にたいする県民の信頼を損なうような事案が発生したことに対しておわび申し上げる」と陳謝しました。

また、15日の会見で県はこの事案とは別に、さまざまな理由で保護者と暮らすことのできない子どもを預かって育てる「ファミリーホーム」という事業で、県内で初めての虐待事案が発生したと発表しました。

この事業者は県の委託を受けて自宅に5人から6人の子どもを預かっていましたが、そのうちの1人に、別の2人の子どもをたたくようそそのかしたうえで、たたく行為を黙認していたということです。

児童相談所からの連絡を受けて県が関係者などへ聞き取り調査を行った結果、県はこの行為を身体的虐待とネグレクトと認定しました。

今後、この事業者は子どもを預かることができなくなるということです。