県立美術館でバレエ「アレコ」上演へ シャガールの背景画活用

青森県立美術館は、バレエの演目「アレコ」のためにシャガールが手がけた背景画を活用して、来年、リメイクしたバレエ「アレコ」を上演することになりました。

県立美術館の「アレコホール」には、20世紀を代表する画家の1人、シャガールが手がけた縦およそ9メートル、横およそ15メートルの巨大な背景画4点が展示されています。

これは「アレコ」というバレエの演目の背景画として描かれた作品で、県立美術館はこの背景画の前に舞台を設け、「アレコ」をリメイクして来年11月に上演することを決めました。

今月3日に行われたプレイベントで詳しい内容が初めて公表され、主役を務める青森市出身の世界的バレエダンサー、大川航矢さんらが振り付けを披露しました。

バレエ「アレコ」は、ロシアの貴族の若者・アレコと少数民族・ロマの娘との悲恋を描いた物語で、かつては、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でシャガールの背景画を使って上演されていました。

50年以上前の1968年を最後に上演は途絶え、楽譜などの資料も残されていないことから、県立美術館は今回、振り付けや編曲を新たに行ってリメイクを進めています。

県立美術館の杉本康雄館長は「美術、音楽、バレエの3つをそろって鑑賞することは、この場所でしかできないすごく幸せな体験だ。このバレエを青森の芸術文化の新たな財産にできれば最高にうれしい」と話していました。