八戸保健所「吉田屋」の営業禁止処分を解除 554人が食中毒

八戸市の駅弁メーカー「吉田屋」の弁当を食べた人が相次いで食中毒と確認された問題で、八戸市保健所は、営業禁止の処分にしていた吉田屋について、衛生管理体制の改善が確認できたとして4日、処分を解除しました。

ことし9月、八戸市の弁当メーカー「吉田屋」が製造した弁当を食べた人が体調不良を訴えた問題では、3日までに29の都道府県であわせて554人が食中毒と確認されています。

八戸市保健所は9月、弁当が原因の食中毒と断定して「吉田屋」を営業禁止の処分にしたうえで、委託業者から仕入れた、炊いた米の温度管理や容器の衛生管理が徹底されていなかったなどとして改善するよう指導していました。

八戸市保健所は、吉田屋が改善報告書を提出したことを受けて今月1日、製造施設に立ち入り検査を行った結果、衛生管理体制の改善が確認されたとして4日、営業禁止の処分を解除したと発表しました。

具体的には、外部から米を受け入れる際、温度が23度以下であることを確認するなどの手順や、作業中に衛生管理の確認や指導を行う要員の配置などの新たな基準を設けたことが確認されたとしています。

また、今回の問題では、自社の製造能力を超える数を受注し、外部に米を委託したことが食中毒の大きな原因とみられていますが、今後は過剰な受注をしないよう、1日の製造数の上限を設けるなどの対策が取られているということです。

八戸市保健所の石井敦子副所長兼衛生課長は「衛生管理計画を順守し、確実に実施してほしい。保健所としても必要に応じて立ち入り調査を行っていく」と述べました。

営業禁止の処分が解除されたことを受けて、「吉田屋」の吉田広城社長は「初心にかえって、ひとつひとつの工程を確実に実行し、もう1度、弁当を手に取ってもらえるよう信頼の回復に努めていきます」とするコメントを出しました。