弘前市出身アーティスト奈良美智さん個展14日から県立美術館

弘前市出身のアーティスト、奈良美智さんの個展が青森県立美術館で14日から開かれます。
これを前に内覧会や奈良さんの記者会見が行われました。

孤独にたたずむ鋭いまなざしの子どもの絵画などで知られる弘前市出身のアーティスト、奈良美智さんの個展が14日から青森県立美術館で始まるのを前に、13日は報道関係者などに向けた内覧会が開かれました。

今回の個展は、県立美術館単独での開催で、奈良さんの創作の原点に迫ろうと、「家」や「旅」など5つのテーマに分けて展示が構成され、初期から最近制作された作品までおよそ200点が展示されます。

このうち、「カッチョのある風景」は1979年に制作された現存する数少ない奈良さんの最初期の油彩画で、展覧会への出展は今回が初めてとなり、質素な家屋や風や雪を防ぐ「カッチョ」と呼ばれる木製の柵が描かれるなど津軽地方の風景が表現されています。

また、高校3年生のときに建設作業に関わった弘前市にあったロック喫茶を、奈良さんの記憶などを元に再現した空間の展示なども設けられていて、奈良さんの原点を感じさせる内容となっています。

奈良さんは記者会見の中で「青森県立美術館は、自分の家みたいな感じなので、今回の企画展は自分の内部や部屋を見せるような展示になっている。作品の量も多いので、全部見て欲しい」と話していました。

また「開催時期が雪の期間と重なっているのはとてもうれしくて、ここでしか開かないと決めたのは、自分が見た風景や吸っていた空気がある場所で見て欲しいからだ。駅や空港に着いたときからその人の旅は始まっていて、空気、風景、すべてと一体になって美術館に入ってほしい」と話していました。

「奈良美智:The Beginning Placeここから」は、青森県立美術館で14日から来年2月25日まで開かれます。