クマの被害者 9月は過去最多 環境省が注意呼びかけ

ことし4月から9月までにクマによる被害にあった人は全国で109人と過去最悪のペースで発生し、特に9月の被害人数は過去最多だったとして、環境省は十分な警戒を呼びかけています。

環境省によりますと、クマによる被害にあった人はことし4月から9月までに全国で109人に上り、記録が残る2007年度以降で最悪だった3年前の2020年度と同じ時期の86人を上回り、過去最悪のペースです。

特に9月は被害にあった人が全国で38人で、15人だった8月の2.5倍と急増し、9月の被害人数としては過去最悪となりました。

被害にあった109人の都道府県別の内訳は、北海道と岩手県で合わせて2人が死亡し、秋田県で28人、岩手県で26人、福島県で13人がけがをしていて、東北地方での被害が75%を占めています。

環境省はことしの秋は、東北地方でクマの餌となるドングリなどが不作になると予想されていることから、餌を求めてクマが人里に出没し、被害がさらに増える可能性が高いと指摘しています。

ドングリが不作だった2019年度や2020年度は、10月に最も被害が出たことから、環境省は今後も警戒が必要だとしています。

環境省は万が一、クマに遭遇した場合、距離があったら静かにその場を立ち去ること、また、近くにクマがいることに気づいた場合は、クマを見ながらゆっくり後退して間隔を広げ、慌てて走って逃げないよう注意を呼びかけています。