「旧弘前偕行社」 建物所有の学校法人が弘前市に譲渡要望

明治時代の洋風建築物で国の重要文化財に指定されている「旧弘前偕行社」について建物を所有する学校法人が来年度に閉校するため、維持管理するのが難しくなったとして、弘前市に譲渡できるよう要望しました。

「旧弘前偕行社」は明治40年に旧日本軍の陸軍将校の社交場として建てられた木造の洋風建築物で、ルネサンス様式を基調に細部に華やかなデザインが特徴となっていて、国の重要文化財に指定されました。

建物は学校法人「弘前厚生学院」が保存していますが、少子化などに伴って、学生の確保が難しくなっていることから、来年度に学校を閉校した上で、法人も解散する予定です。

このため、「旧弘前偕行社」を今後、維持管理していくことが、難しくなったとして、21日、学校法人の関係者が、弘前市に対して、譲渡したいなどとする要望書を提出しました。
これに対し、出崎和夫副市長は、「旧弘前偕行社は弘前市にとって非常に大事な施設です。後世にどのように残していけるのか考え、積極的に取り組みを進めていきたい」と述べました。

学校法人「弘前厚生学院」の鳴海春輝学院長は「旧弘前偕行社は津軽藩の別邸としても使われるなど歴史的な価値があり、軍都から学都への変遷がわかる建築物です。市への譲渡で今後市民にもっと活用してもらいたい」と話していました。