おととし八戸港で座礁の貨物船 撤去完了さらに遅れ来年1月に

おととし、八戸港でパナマ船籍の貨物船が座礁した事故で、船の撤去にあたる会社は、作業に使う大型台船の到着が遅れるため、撤去の完了がおよそ1か月さらに遅れ、来年1月下旬になることを地元の関係者に説明しました。

パナマ船籍の貨物船「CRIMSON POLARIS」は、おととし8月、八戸港で座礁し、船体の一部は今も海に沈んだままとなっていて、地元の漁業への影響が長期化しています。

撤去を行う会社は31日、八戸市で地元自治体の担当者などを対象に非公開の説明会を開き、ことし12月としていた撤去の完了時期が来年1月下旬と、およそ1か月遅れることを報告しました。

今も海に沈んだままの船尾部分の一部の引き揚げ作業で使われる大型台船の到着が、計画の10月より遅れるため、撤去の完了時期も先延ばしになったということです。

この船の撤去作業を巡っては、完了時期の延期が繰り返されていて、八戸市にある2つの漁協では、冬の味覚「ほっき貝」の漁を2年連続で見合わせました。

実質的な代理人を務める貨物船の所有会社の弁護士は「時期が延びたことについて責任を感じる。終わりが見えてきたが、今後も休業している漁業者の方など可能な限り補償をしていきたい」と話しています。