八甲田山系の風力発電事業 知事 計画の白紙撤回求める考え

青森市などの八甲田山系周辺で計画されている風力発電事業をめぐり、宮下知事は関係する6つの市町とともに、事業者に対して計画の白紙撤回を求める考えを示しました。

この風力発電計画は、青森市や十和田市、平内町など6つの市町にまたがって、八甲田山系周辺の山の尾根などに最大で71基の風車を設置するものです。

今月16日には、事業者に対し6つの市町が共同で計画の白紙撤回を求める意見書を提出し、事業者は計画を見直す方針を示しています。

これをめぐり、23日、青森市の西市長をはじめ6つの市町の代表が県庁を訪れ、県からも計画の白紙撤回を働きかけるなど、協力して行動するよう求める要望書を手渡しました。

宮下知事は「私自身の気持ちもまったく同様で、関係するすべての自治体が反対を表明したにもかかわらず、進めるとしている事業者の対応に大変驚き、良識を疑っている。白紙撤回を強く求めていきたい」と応じました。

そのうえで、風力発電や太陽光発電などの開発計画について、自然環境の保護との両立を図るため、環境保護を優先するエリアなどを定める「ゾーニング条例」の制定に向けて、県の基本的な考え方を来月にも公表する考えを示しました。

このあと、非公開で会談が行われ、終了後に記者団の取材に応じた宮下知事は「再生可能エネルギーは導入を促進する必要がある一方で、自然環境や歴史的に大切にしてきた景観や信仰を損うような開発はあってはならない。規制と推進の両立を図る新しい枠組みを考えていく」と話していました。