暑さと強い日ざし 県内 りんごに“日焼け”の被害

連日の暑さと強い日ざしの影響で県内のりんご畑では、りんごの皮の色が変わってしまう「日焼け」の被害が出ています。

このうち、板柳町でりんごを栽培している会津宏樹さんの畑では、来週から収穫を予定している「つがる」に日焼けの被害が相次いでいました。

例年、8月下旬から収穫が始まる「つがる」は、りんごの中でも収穫時期が早いのが特徴で、会津さんの畑では実を赤く色づけるために日陰をつくる葉を取り除く、「葉取り」と呼ばれる作業を先週終えたばかりでした。

しかし、想定以上の気温の高さと強い日ざしによって、直射日光が当たりやすい木の上の方にあるりんごの皮の色が、クリーム色や茶色に変色して赤くならない、日焼けの被害が出ています。

被害は20アールの畑の半分のりんごに及んでいて、日焼けしたりんごは加工用に回したり、廃棄したりせざるを得ないということです。

会津さんは「おいしいりんごがちゃんとお客さんに届けられるのか不安です。つがるがことし最初の収入源になるので、この時期のりんごが収穫できなくなるのは残念です。今後りんごが栽培できなくなるのではないかという不安が、今年は強く芽生えました」と話していました。

【専門家「30度を超える日には、葉摘み控えて」】
猛暑の影響で県内のりんごには、暑さや日差しで実の色が変わる「日焼け」の被害が出ていて、県産業技術センターのりんご研究所の研究員は気温が30度を超える日には、葉摘みを控えるなどの対策を取るよう呼びかけています。

りんごの「日焼け」とはりんごの実が強い日ざしにあたることで色が白っぽくなったり、茶色や黒に変色する現象です。

ことしは連日の暑さと強い日ざしの影響でこの被害が相次いでいます。

りんごの栽培などについて研究を進める、県産業技術センターのりんご研究所栽培部の後藤聡部長は、実を赤く色づけるために日陰をつくる葉を取り除く「葉摘み」の作業を気温が30度を超える日には控えることが有効だとしています。

また、ことしは雨の日が少なく、土壌が乾燥するとりんごの木が乾いて日焼けの被害が出やすくなるため、積極的に水をまくことを呼びかけていました。

後藤部長は「ことしは花の開花が例年より10日程度早く、収穫の時期も早まるのではないかと思われるので、生産者も気をつけて、準備を進めてほしい」と話していました。