八甲田山系の風力発電事業 6市町が白紙撤回求める意見書提出

青森市などの八甲田山系周辺で計画されている風力発電事業について、青森市や十和田市など6つの市町が共同で、計画の白紙撤回を求める意見書を事業者に対して提出しました。

この風力発電計画は、青森市や十和田市、平内町など6つの市町にまたがって、八甲田山系周辺の山の尾根などに最大で風車71基を設置するものです。

この計画をめぐって16日青森市の西市長と十和田市の北舘副市長が、事業を計画している「ユーラスエナジーホールディングス」の東京・港区の本社を訪れ、諏訪部哲也社長に意見書を提出しました。

意見書は、関係する6つの市町が共同でまとめたもので、「自然環境や景観、水資源や温泉資源、生物多様性の保全に多大な影響を及ぼすことが懸念され、多くの地域住民や観光客から不安を訴える声が寄せられている」などとして、計画の白紙撤回を求めています。

非公開で行われた会談のあと、諏訪部社長は「6自治体の総意を重く受け止めている。撤回を求めるに至った理由は非常によく理解できるので、必要な調査を踏まえて計画を見直し、改めて説明することで理解を得たい」と話し、計画を見直す方針を明らかにしました。

一方、西市長は「撤回を求める方向は宮下知事も変わらないと認識しているので、県と対応を協議したい」と述べ今月中にも宮下知事と面会して協力を求める考えを示しました。