青森ねぶた祭「曳き手」をたたく動画が拡散 運行団体が謝罪

東北を代表する夏祭り「青森ねぶた祭」で大型ねぶたを運行する団体の関係者がねぶたを動かす「曳き手」と呼ばれる人たちをたたいたとみられる様子を捉えた動画がSNS上で拡散しました。
運行団体の「青森青年会議所」は聞き取り調査を行った上で、暴力行為があったとして謝罪しました。

ことしの青森ねぶた祭は祭りの期間中、あわせて23台の大型ねぶたが出陣し、おととい、最終日を迎えました。

このうち、大型ねぶた1台を運行した団体「青森青年会議所」によりますと、今月6日の夜、ねぶたの運行を支援していたスタッフ2人が、ねぶたを載せた台車を引く「曳き手」とよばれる人たち6人をうちわや平手で顔や頭をたたく暴力行為があったということです。

この様子を捉えたとみられる動画が、SNSに投稿されて拡散されたことなどから団体で聞き取り調査を行ったところ、スタッフの2人がたたいたことを認めた上で、6人に謝罪したということです。

団体によりますと、スタッフは大型ねぶたが青森県庁近くの道路標識にぶつかったあと、暴力行為を行ったということで理由について「気合いを入れるためだった」などと説明しているということです。

青森青年会議所は「暴力行為は決して許されることではなく、祭を見に来た人や関係者に不適切な行動を見せしてしまい、運行団体として深く反省している。心よりおわび申し上げ、同じような事態が二度と起こらないよう管理・指導を徹底する」とコメントしています。

【「青森ねぶた運行団体協議会」の山内誠会長】

大型ねぶたを運行する団体で作る「青森ねぶた運行団体協議会」の山内誠会長は、NHKの取材に対し「青森ねぶた祭の存続に関わる残念でけしからん暴力行為だ。ことの重大さを理解してもらうためにも、今後、すべての団体を集めて再発防止策などを協議していきたい」と話しています。

【青森青年会議所の石田荘平理事長】

これについて公益社団法人青森青年会議所の石田荘平理事長は「世界に誇る青森ねぶた祭で、殴る、たたくという絶対にしてはいけない行為をしてしまって、青森ねぶた祭を傷つけてしまったことは重く受け止めている。2度と起こらないように周知徹底していきたい」と謝罪しました。