一部で不通続くJR津軽線 必ずしも存続にこだわらない町長も

去年8月の記録的な大雨から1年となる中、一部区間で不通のままとなっているJR津軽線の2つの沿線自治体の町長がNHKの単独インタビューに応じました。
このうち、外ヶ浜町の山崎町長は、必ずしも鉄道の存続にこだわらない姿勢を示した一方、今別町の阿部町長は、鉄道の復旧を改めて求めました。

JR津軽線は、去年8月の記録的な大雨によって土砂の流入や線路の下の盛り土が崩れるなどの被害が出て、外ヶ浜町の蟹田駅と三厩駅の間で不通が続いています。

JRは沿線自治体と地域交通の在り方などを考える検討会議を設置していて、JRは利用者数が少ないことなどから鉄道の復旧ではなく、バスや乗り合いタクシーへの転換を提案しています。

大雨から3日で1年となるのを前に、津軽線の不通区間にある外ヶ浜町の山崎結子町長と今別町の阿部義治町長がNHKの単独インタビューに応じました。

外ヶ浜町の山崎町長は「利用者が少なく撤退したいというのは、民間の企業として正しい判断だと思う」とJRの提案に一定の理解を示しました。

そのうえで「地域の交通は大事なインフラなので、住民が不便にならず、値段が高くならず、時間かからない方であれば前向きに検討したい」と述べ、将来的に町や住民にメリットが大きい場合、鉄道の存続に必ずしもこだわらない考えを示しました。

一方、今別町の阿部町長は「津軽線は生活の足で、JRが全額負担で早期復旧するのが当然だ。もう一度、大雨の前の姿に戻すことが先決だ」と述べ、鉄道の早期復旧を求めました。

そのうえで「急いで結論を出すのではなく、復旧をしてから、津軽線の在り方や別の選択肢を検討するのが自然だと思う」と述べ、今後の地域交通の在り方については、青森市など津軽線の全区間の4つの自治体とともに慎重に検討するべきとの考えを示しました。