三村申吾知事 28日で退任 「馬車馬のように駆け抜けた」

5期20年にわたって務めた三村申吾知事が、28日で任期を終えます。
最後の記者会見で、三村知事は「まさに馬車馬のように駆け抜けて、とにかく稼いで走り回った」と述べ、これまでの5期20年を振り返りました。

知事最終日となった三村知事は28日、午前中に29日から知事となる宮下宗一郎氏に引き継ぎを行いました。

このあと、ともに今日付で退任する副市長などに辞令を交付し、職員へのあいさつなどを行ったあと、退任を前に最後の記者会見にのぞみました。

この中で、三村知事は「就任当初の非常に厳しい財政状況や雇用状況、医師不足など青森県として多くの課題があるなかで、まさに馬車馬のように駆け抜けて、とにかく稼いで走り回った」とこれまでの20年を振り返りました。

また、東日本大震災や新型コロナウイルスなどの厳しい局面を振り返り、自身の編集者としての経験が生きたとした上で、「1冊の本を作るのと一緒で、段取りをどうするかを考えて、常に前向きに諦めずにやってきた」と述べました。

そのうえで、退任について、家族と話した内容について問われると、「引っ越しはお前1人でやってこいと妻に冷たい言葉を言われた。全然励ましてくれない厳しい人だが、よく働いたと言ってくれた」とうれしそうな表情で語りました。

今後については、「もう一度見てみたい景色や味わってみたい空気もあるので、三村申吾個人として生きたりなかった部分をもう一度ちゃんと生きてみたい」と述べました。

このあと、正面玄関前でセレモニーが行われ、青山副知事・柏木副知事ともに花束が贈られると、三村知事は「最高のチームと最高に良い仕事ができ、一言で言えば楽しかった。一緒に一生懸命働けて幸せだった。本当にありがとう」と涙ながらにあいさつしました。

その後、バンザイが送られたあと、三村知事は「しょうもない知事だと思うかもしれない」と前置きした上で、ジャケットを脱ぎました。

ジャケットの裏側には、大きな「感謝」という文字とりんごのイラストなどが書かれていました。

最後まで「三村節」を貫き通した三村知事。

5期20年、慣れ親しんだ県庁をあとにしました。