「2024年問題」解消へ 新幹線で大量の荷物輸送の実証実験

物流業界で人手不足の深刻化や輸送量の減少が懸念される、いわゆる「2024年問題」の解消につなげようと、JR東日本は、新幹線を活用した輸送としてこれまでで最大規模となる600箱の荷物を運ぶ実証実験を行いました。

荷物が乗せられたのは東北新幹線の臨時列車で、16日は午前7時すぎに青森県にある車両基地で荷物が積み込まれました。

JR東日本はこれまでも新幹線を使った荷物の輸送を行っていますが、今回は、ホタテやアジなどの魚介類から精密機械まで過去最大となるおよそ600箱に上り、積み込み作業も時間や作業スペースの制限がある駅ではなく初めて車両基地が使われました。

臨時列車は、前の5両には利用客を乗せ、その後ろの3両を貨物の輸送に充てています。

新幹線は午前9時半すぎに新青森駅を出発し、およそ3時間後に大宮駅に到着。

ホームでおろされた荷物は駅屋上にある駐車場で荷さばきが行われ、それぞれの荷物が首都圏のスーパーなどに運ばれていきました。

JR東日本によりますと、新幹線を使った場合の実輸送時間はトラックに比べて5時間程度短縮できるほか、二酸化炭素の排出量もトラックに比べ10分の1程度にまで減らせるということです。

JR東日本マーケティング本部の堤口貴子マネージャーは「新幹線輸送の速達性や安定性などのメリットを生かして地方の良いものを首都圏で販売して地域活性化を図り、『物流の2024年問題』など社会問題の解決の一助を担いたい」と話しています。

JR東日本は今年度中にも複数回の実証実験を行い、新幹線を使った多量輸送の実用化を目指すとしています。