ヤングケアラー実態調査 6年生の5.9%「世話をしている」

家族の世話などをしている子どもたち、いわゆる「ヤングケアラー」の実態を把握しようと県が初めて調査を行ったところ、「世話をしている」と答えた小学6年生は5.9%、およそ17人に1人に上ることがわかりました。

県は、ヤングケアラーの実態を把握するためことし1月までの1か月間、県内の小学6年生、中学2年生、高校2年生、大学3年生のあわせておよそ3万2000人にアンケートを調査を行い、60%にあたるおよそ1万9000人から回答を得ました。

県はその調査結果を30日発表し、それによりますと、「自分が家族の世話をしている」と答えたのは小学6年生で5.9%でおよそ17人に1人に上ることがわかりました。

また中学2年生では5%、高校2年生では3.3%、大学3年生では2.5%となりました。

また、「世話をしている」と答えた子どもに何に困っているかを尋ねたところいずれの学年でも「ストレスを感じる」が最も多くこのほか「自分の時間が取れない」、「成績が落ちた」、「睡眠が十分に取れない」などが多くなりました。

県こどもみらい課の大山和也課長は「県内でもヤングケアラーが少なくないことがわかったが、把握し切れていない可能性がある。身近でヤングケアラーの存在に気づいたら、役所などの機関に連絡してほしい」と話しています。

県は、今年度、学校関係者を対象とした研修を行うほか、ことし9月にはSNS上に相談窓口を開設する予定で、早期発見の体制を整えていきたいとしています。

「ヤングケアラー」は本来、大人が担う家族の世話や家事などを日常的に行っている子どものことです。

具体例として、国は障害や病気がある家族の身の回りの世話をすることやこうした家族に代わって家事をすること、それに家計を支えるために働くことなどを挙げています。

日常的に家族の世話などに追われることで睡眠や勉強の時間が十分に取れなくなるほか、自分にできると思う仕事の選択肢をみずから狭めて考え、就職にも影響が出ることなどが懸念されています。

しかし、ヤングケアラーの実態は家庭以外では見えにくい上、当事者が声を上げることをためらったり声を上げたくてもどこに助けを求めていいのかわからなかったりするケースが多くいかに早期発見し、支援ができるかが課題となっています。

ヤングケアラーの問題について弘前大学大学院の吉田美穂教授は「子どもがケアされることなくケアを提供する側になることで学校生活に大きな影響が出てくる」と述べた上で「遅刻や居眠り、宿題や課題を出さないなど一見すると真面目に取り組んでないと思われがちな子どもの行動には家庭でのケアが関わっているケースが多い。ただ叱るのではなく状況を受け止めて『どうしたんだ』と声をかけていくことが大事だ」と指摘しています。

さらに「家のことを学校の先生に相談してもしかたないと思う子どもは多い。周囲の大人がいかにその本人の様子を観察して声をかけ相談につなげていけるかが問われている」としています。

また、察知したあとの対応について「学校の先生が家庭の問題に踏み込んでよいのかと迷うこともあると思う。福祉の専門性を持ったスクールソーシャルワーカーが学校にいるので積極的に相談するか、自治体の児童福祉に関連する部署に相談することが大事だ」と述べ、教員自身も積極的に外部を活用しヤングケアラーの支援につなげていくよう呼びかけています。