認知症予防へデータ集める 弘前市で大規模な健康診断始まる

認知症の予防に向けたデータを集めようと高齢者2000人あまりを対象にした大規模な健康診断が弘前市で始まりました。

この健康診断は筋力の衰えの推移などを詳しく分析して認知症予防の方法を探ろうと弘前市と弘前大学の研究グループが市内の高齢者、2000人あまりを対象に7年前から行っています。

ことしの健康診断が24日始まり会場となった市の施設にはおよそ100人が集まりました。

このうち、指を細かく動かせるか確認する検査では参加者たちが板に空いた穴に4つの部品を片手でいくつ入れられるか確認していました。

また、「最大歩行」という検査では、5メートルをどれだけ早く歩くことができるか測って足の筋力に衰えがないか調べていました。

市などは、対象となっている高齢者に今後4年の間にさらに2回ずつ健康診断を受けてもらい、集めたデータを詳しく分析することにしています。

受診した73歳の女性は、「ふだんは詳しく検査することがないので自分の状態を知ることができてよかった」と話していました。

弘前大学大学院の三上達也教授は「大人数を追跡した認知症に関するデータはこれまでなかった。認知症の予防法が解明できれば私生活で何を気をつければいいのか明らかになる」と研究の進展に期待を寄せていました。